身だしなみを整えようとする際、手元にある眉用ハサミや鼻毛切りハサミで耳毛をカットしようとする行為は極めて危険です。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の知見や皮膚科医の指摘によれば、外耳道の皮膚は厚さがわずか約0.1〜0.2mmと極めて薄く、毛細血管と神経が皮膚のすぐ下を通っています。鏡越しでは遠近感が狂いやすいため、ハサミの先端がデリケートな皮膚を挟み込み、激しい出血や化膿性外耳道炎を引き起こす事故が多発しています。
また、毛抜きで強引に引き抜く行為も厳禁です。毛根周囲の組織が破壊され、毛嚢炎(もうのうえん)と呼ばれる細菌感染を起こして耳全体が腫れ上がる危険性があります。そもそもなぜ加齢とともに耳毛が太く長く目立つようになるのかというと、テストステロンをはじめとする男性ホルモンの影響で毛周期(ヘアサイクル)の休止期が長くなり、毛が抜け落ちずに伸び続ける現象(長毛化)が40代以降に顕著化するためです。
こうした加齢現象による剛毛化に対し、視界が確保できない部位を処理するには、刃が直接肌に触れない金属製ガード構造(アウターフォイルや保護スリット)を備えた専用の電動耳毛カッターを使用することが、安全面における唯一の合理的選択肢となります。