パ・リーグの投手にもかかわらず、山崎福也の名が全国のトレンドを席巻する大きな要因に「非凡極まるバッティングセンス」があります。
記憶に新しいのは、2026年の交流戦・阪神タイガース戦において新庄監督が断行した「6番・投手」でのスタメン起用です。DH制のあるパ・リーグ主催試合では到底見られないこの起用にスタンドがどよめくなか、彼は華麗な右前適時打をマーク。大谷翔平以来となる歴史的な快挙を演じ、全野球ファンの度肝を抜きました。さらに日本シリーズなどの大舞台でも、投手の枠を超えた勝負強い打撃を幾度となく披露しています。
この打撃力は決して偶然の産物ではありません。彼の球歴を辿ると、高校野球の名門・日大三高時代にはエース投手でありながら、チームの「クリーンアップ(主に3番や5番)」を務め、2010年の選抜高等学校野球大会では通算打率.571、歴代最多タイ記録(当時)となる1大会13安打をマークして準優勝の主役となりました。
進学した明治大学でも投手陣の柱として東京六大学リーグを席巻する傍ら、通算打率2割台後半、通算2本塁打と東京六大学のベストナインに迫る猛打で神宮を沸かせました。「一般的な投手が打席に入るのとはレベルが違う」「打撃練習の打球音が野手のレギュラー陣と変わらない」とチームメイトや解説者陣が舌を巻く背景には、学生野球のトップレベルで打者としても第一線を張り続けた本物の蓄積が存在します。