外見上は強固に見える斜面であっても、内部に断層や風化帯、地下水の通り道が存在する場合、豪雨や地震を引き金に地山の崩壊が発生します。特に降雨によって土中の間隙水圧が上昇すると、土粒子同士の噛み合わせが失われ、一気に斜面全体がすべり落ちる現象が起きます。
こうした事故を未然に防ぐためには、工事着工前の緻密な地盤調査が欠かせません。標準貫入試験(ボーリング調査)やスウェーデン式サウンディング試験などを通じて、N値や土質構成を数値化し、地山強度(せん断強度や粘着力)を正確に割り出します。
トンネル掘削や道路土工の設計実務では、岩種、風化度、割れ目の間隔、弾性波速度などに基づいた「地山分類基準」が活用されます。地山をA〜Eなどの等級に区分し、地山強度に見合った支保パターンや掘削工法を選定することで、崩壊リスクを工学的に最小化しています。