2023年のテレビ界は、各クールごとに強烈な個性を持つ作品が視聴者のタイムラインを賑わせました。放送時期ごとのトレンドを振り返ると、日本のドラマシーンが目指した新たな方向性が明確に見えてきます。
まず1月期の2023年冬ドラマ一覧を振り返ると、脚本家・バカリズムの真骨頂となった『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)が圧倒的な支持を獲得。タイムリープを日常会話劇に落とし込んだ巧みな構成は国内外の賞レースを席巻しました。同クールでは草彅剛主演の復讐劇シリーズ『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)や、櫻井翔主演のサスペンス『大病院占拠』(日本テレビ系)がSNSでの鬼の考察合戦を引き起こしました。
続いて4月期の2023年春ドラマおすすめとして挙げられるのが、福山雅治と大泉洋の黄金コンビが復活した『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系)と、オードリー若林正恭と南海キャンディーズ山里亮太の半生を描いた『だが、情熱はある』(日本テレビ系)です。特に後者は、主演を務めた髙橋海人と森本慎太郎の憑依的な演技が深夜・配信帯で熱狂的なファンを生み出しました。
そして7月期の2023年夏ドラマ見逃し配信市場を完全に独占したのが、TBS日曜劇場の『VIVANT』です。事前プロモーションで一切のあらすじを伏せる異例の戦略を取りながら、初回から映画並みのモンゴルロケと怒涛の展開で日本中を釘付けにしました。同クールでは松岡茉優主演の学園サスペンス『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』もZ世代を中心に大きな反響を呼びました。
10月期には2023年秋ドラマ視聴率ランキングの上位を争った鈴木亮平主演の『下剋上球児』(TBS系)や、4人の俳優がクアトロ主演を務め「二人組」の人間関係を繊細に紡いだ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)が登場。多種多様なジャンルが百花繚乱の様相を呈しました。