ラストランの感動を語る上で欠かせないのが、同年10月にフランス・ロンシャン競馬場で行われた凱旋門賞での激動のドラマです。世界最高峰の舞台に単勝1.5倍の圧倒的人気で臨んだディープインパクトは、3位入線後に禁止薬物(呼吸器疾患の治療薬イプラトロピウム)が検出され、無念の失格処分を受けました。
日本中の期待を背負って渡欧しただけに、この結果は陣営にとっても競馬界にとっても計り知れないショックをもたらしました。しかし、陣営は失意に沈むことなく、名誉挽回を期して国内復帰戦となるジャパンカップへ参戦。世界各国の強豪を相手に完勝を収め、自らの力で名誉を回復してみせたのです。
凱旋門賞での悔しさを乗り越え、ジャパンカップ、そして有馬記念を連勝してターフを去るというシナリオは、まさにドラマチックな王者の帰還でした。挫折を経験したからこそ、最後の有馬記念で放った輝きはより一層ファンの胸を打つものとなりました。