街のインフラとして定着したコンビニエンスストア各社におけるビールの店頭販売価格は、基本的にメーカー希望小売価格に準拠している。そのため、定番の350ml缶であれば、税込240円台から260円前後と、看板の違いによる定価そのものの差はほとんど存在しない。
しかし、どのチェーンが「実質的に一番安いのか」という問いに対する答えは、各社が敷くデジタル戦略と販促の仕組みによって大きく分かれる。株式会社セブン-イレブン・ジャパンは「セブン-イレブンアプリ」を通じた特定銘柄の無料引き換えクーポンや、キャッシュレス決済と連動した還元イベントを頻繁に実施する。購入回数を重ねるヘビーユーザーほど恩恵を受けやすい設計だ。
対する株式会社ファミリーマートは「ファミペイ」を基軸に据え、お酒の割引クーポン配布や「1本買うと翌週使える1本無料券がもらえる」といったアグレッシブなキャンペーンを武器にする。突発的な還元率の高さでは頭一つ抜ける場面も多い。
そして株式会社ローソンは、Pontaポイントやdポイントを活用した「お試し引換券」制度が圧倒的な破壊力を持つ。所持ポイントを定価の半額相当でビールと交換できるタイミングがあり、ポイ活層からの支持は絶大だ。定価そのものに差がないからこそ、自らが常用する経済圏やアプリの活用度合いによって「最安のコンビニ」は人それぞれ変化する。