全国47都道府県の監視ネットワークを統合した「クママップ」の集計によると、データベース上に記録されたクマの出没件数は全国累計15万9,565件という膨大な数に達しています。さらに2026年度単年の速報値だけでも1万7,407件が報告されており、直近30日間を見ても32都道府県で2,055件の目撃・痕跡が確認されています。もはやクマの出没は一部の山岳県に限られた特殊な事例ではありません。
民間や自治体、獣医師が監修する情報プラットフォーム「KumaWatch」などの日次レポートを分析すると、従来の出没パターンとは明らかな異変が確認できます。従来は春の冬眠明け(4月〜5月)と秋の越冬前(9月〜11月)に山間部周辺でピークを迎えるのが通例でした。しかし、現在のデータでは6月から8月の初夏から盛夏にかけても平野部の河川敷や住宅地周辺で高い目撃頻度が維持される傾向が顕著になっています。
報道各社が配信する2026年クマ出没ニュースでは、東北や北陸の地方都市にとどまらず、関東近郊の丘陵地や近畿圏のインターチェンジ付近など、これまで「安全圏」と見なされていたエリアでの警戒アラートが日常的に発令されています。行政が発出する「クマ出没注意報・警報」の対象期間が通年化しつつある現実は、人間と野生動物の地理的距離が完全にゼロになったことを物語っています。