彼の監督としての評価を世界的確固たるものにしたのは、1997年のベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を獲得した『HANA-BI』だった。以降、欧州を中心に「Takeshi Kitano」の名は巨匠の代名詞となり、世界の映画ファンを魅了し続けている。
その集大成のひとつとして放たれたのが、壮大なスケールで戦国時代の暗部を描き切った映画『首』だ。構想に30年以上を費やしたとされるこの超大作では、男たちの欲望と滑稽さを容赦ないリアリズムで描写。既存の時代劇の概念を打ち破り、世界中の映画祭や批評家から絶賛を浴びた。世界基準の視点をブレずに持ち続ける姿勢が、今なお作品に圧倒的な生命力を与えている。