万が一、あらゆる救済処置を試しても発酵力が戻らなかったとしても、小麦粉とバターの旨味が詰まった生地を捨てる必要は全くない。ふんわりとした食パンや食感豊かなバゲットにするのは難しくとも、未発酵生地ならではの特性を生かした料理へとリメイクすれば、極上のメニューに生まれ変わる。
プロの製パン業者や料理家が実践する定番の手法が、生地を麺棒で極限まで薄く伸ばして焼く「薄焼きクラッカー」や「クリスピーピザ」への転用だ。伸ばした生地の表面にフォークで穴を空け、オリーブオイル、塩、ローズマリーや粉チーズを散らして200℃のオーブンで香ばしく焼き上げる。発酵不足の生地特有の密度の高さが、カリッとした心地よい歯ごたえを生み出し、酒の肴や子供のおやつとして完璧な一品に仕上がる。