自治体や職場の定期検診で広く採用されている「便潜血検査(免疫法2日法)」は、大腸がん検診の一次スクリーニングとして確立された手法です。採便した検体中に目に見えない微量の血液が含まれているかを判定します。
一般的に、検診受診者のうち便潜血検査で陽性が出る確率は約5〜7%です。そして、陽性と判定された人のうち、実際に大腸内視鏡検査を行って大腸がんが発見される確率は約3〜5%、前がん病変である大腸ポリープが見つかる確率は約40〜50%にのぼります。
つまり、便潜血検査で陽性判定が出たということは、「約半数の確率で大腸内に治療・経過観察すべき何らかの病変が存在する」という明確な警告サインです。ところが、厚生労働省の地域保健・健康増進事業報告などによると、陽性判定を受けたにもかかわらず実際に精密検査(大腸内視鏡検査)を受診する割合は6〜7割程度にとどまり、3割以上の人が放置している実態があります。
さらに知っておくべき盲点は「便潜血検査が陰性だからといって100%安全とは言い切れない」という点です。早期がんや平坦型の病変は出血を起こしにくく、検査をすり抜けてしまう(偽陰性)ケースが一定割合存在します。40歳を過ぎたら、便潜血検査の受診に加え、数年に一度の内視鏡検査を組み合わせることが推奨される理由がここにあります。