選挙分析における最大の盲点は、「地元後援会が機能していれば強固」という永田町の定説が、すでに過去の遺物と化していた点です。現場取材で明らかになったのは、いわゆる「地盤(後援会組織)・看板(知名度)・鞄(資金力)」の急激な変容でした。
第一に、地方の後援会幹部が高齢化し、80代・90代が中心となっていた現場では、名簿の更新すら滞り、実動部隊が激減していました。ある陣営の幹部は手記で「会合を開いても集まるのは昔馴染みの古参ばかりで、若手の顔が見えなかった。集票力があるという前提そのものが幻想だった」と吐露しています。
第二に、かつて強固な集票装置として機能していた業界団体や労働組合の票が、完全に「個人の自由意志」へとシフトしたことです。企業トップが特定候補の推薦を出しても、従業員や組合員がその指示通りに投票箱へ名前を書く時代は完全に終わりました。組織票の拘束力が著しく低下した結果、表向きの推薦状の数とは裏腹に、実際の得票数が数万票単位で目減りするという現象が各地で勃発しました。