つむじに関する伝承やネット上の言説が、客観的な医学データとどれほど乖離しているのかを可視化するために、以下の比較表にまとめました。
表にある通り、つむじが2つある遺伝の確率は100%ではなく、片親につむじが2つある場合でも子どもに受け継がれる確率は約20%〜30%程度と推計されています。毛流の形成は単一の遺伝子だけで決まる単純なメンデル遺伝ではなく、複数の遺伝要素と胎内環境が複雑に絡み合う「多因子遺伝」です。骨格の形や皮膚の張力パターンが遺伝的に似ることで結果的につむじが2つになる可能性は高まりますが、親になくても子どもに2つ現れるケースは日常的に見られます。
また、日本特有の文化的な見立てとして知られるのが「鳥居つむじ」の意味と迷信です。頭頂部に2つのつむじが左右均等に並び、髪の毛の流れが神社の鳥居の柱や笠木のように見える形状を指します。昔の農村部や下町では「神様の通り道がある」「神仏のご加護を受けて災いを避ける強運の持ち主になる」とありがたがられました。医学的には左右の毛流の発生起点がシンメトリーに並んだだけの現象ですが、祖父母世代にとっては喜ばしいお祝いの文句として今なお親しまれています。