共同通信社を理解する上で外せない最大のポイントは、読売新聞や朝日新聞のような自社で一般読者向けの日刊紙を発行・販売する企業ではないという点です。共同通信は、全国の地方新聞社とNHKが結成した一般社団法人として運営されています。
報道の現場において、自前で全国47都道府県や世界各地に特派員を配置し、24時間態勢で事件・事故・政治・国際情勢を取材し続けるには莫大なコストがかかります。単独では広域取材網を維持できない地方新聞各社が資金(分担金)を出し合い、共通の取材インフラとして共同運営しているのが共同通信社です。
「共同通信 配信の仕組み」の根幹は、いわばニュースの卸問屋(ホールセラー)です。共同通信の記者が執筆した原稿、撮影した写真・動画、集計した選挙データなどは、専用の専用通信回線を通じて瞬時に全国の加盟社・契約社へと送信されます。各新聞社はこの配信データをもとに、自社の紙面レイアウトに合わせて見出しをつけ、必要に応じて加筆・修正した上で読者へ届けています。
地方紙を開いた際に掲載されている「国際情勢」「首相動静」「全国的な事件速報」の大半は、共同通信から送られてきた配信記事で構成されています。また、共同通信が地方紙各社と共同運営するウェブポータル「47NEWS(よんななニュース)」では、これら全国の地域ニュースと共同通信の速報が統合され、月間数千万規模のアクセスを誇る巨大な情報網を形成しています。
加盟社には北海道新聞、河北新報、東京新聞(中日新聞東京本社)、信濃毎日新聞、京都新聞、中国新聞、西日本新聞など、各地域で圧倒的な購読シェアを持つブロック紙・地方紙が名を連ねています。これら加盟社の発行部数を合算すると数千万部規模に達し、共同通信が配信する「ニュース速報」は、実質的に日本全国の世論形成に計り知れない影響を与えています。