料亭の料理長が「白子の旨さは下処理で8割が決まる」と口を揃える通り、素材の鮮度がどれほど良くても、下処理を怠ると生臭みと雑味が前面に出てしまいます。特に一般家庭で購入する際、知っておくべきプロ直伝のふぐ白子下処理方法があります。
まず、白子の表面を観察し、太い血管や赤く凝固した血筋があれば、爪楊枝の先や包丁の刃先を使って優しくこそぎ取るか、薄皮を破らないように指先で押し出します。次に、立て塩(海水と同濃度の約3%の食塩水)に冷酒を少量垂らしたボウルを用意し、その中で白子を泳がせるように優しく洗います。水道水で直接バシャバシャ洗うと浸透圧で水っぽくなり、薄皮がふやけて破裂しやすくなるため厳禁です。
洗い終えたら清潔なキッチンペーパーを2重にして包み、余分な水分を完璧に吸い取ります。この段階で軽く振り塩をして10分ほど置くと、表面のタンパク質が引き締まり、焼き上がりの皮に心地よい弾力が生まれます。
また、ECサイトなどを通じて手に入る冷凍品を扱う場合、ふぐ白子冷凍解凍方法の成否が味を完全に左右します。絶対に避けるべきは電子レンジ解凍や流水解凍です。急激な温度変化は細胞膜をズタズタに破壊し、旨味を含んだドリップが大量に流出してパサパサ・スカスカの原因になります。正解は、パックのまま氷水に浸して1〜2時間かけてじっくり解凍する「氷水解凍」、または前夜から冷蔵庫のチルド室に移して半日かける「低温冷蔵解凍」です。芯がわずかに残る程度の半解凍状態で下処理を始めると、薄皮を破らずに美しく整形できます。