1960年代に入ると、この実用袋は「ボート・アンド・トート」と名を変え、一般家庭の日用品やレジャー用へと用途を広げていく。軽快なカジュアルウェアに映えるナチュラルな質感は、若者文化やキャンパスライフと強く結びついていった。
やがてファッション・アパレル産業全体がこの機能美に着目。ハイブランドからストリートレーベルまでが独自の解釈を加えるようになった。映画『プラダを着た悪魔』で描かれたような過酷で洗練されたファッション業界の現場でも、大量の資料やサンプル生地を放り込める大容量トートは、業界人のスタイリッシュな相棒として描かれている。