「モロー反射が残っている=発達障害」という短絡的な診断基準は存在しません。しかし、療育現場や発達神経学の研究において、自閉症スペクトラム(ASD)やADHDの特性を持つ子どもに原始反射の残存が多く見られることは広く知られています。
モロー反射は「闘争・逃走反応(サバイバルモード)」と直結しているため、この反射が統合されないまま成長すると、日常の些細な刺激に対しても過剰にアラートが鳴り響く状態が続きます。その結果、次のような状態が引き起こされます。
・びっくりしやすい特徴:突然の呼びかけや物音に過敏に反応し、パニックや強いフリーズを起こす。
・感覚過敏への影響:洋服のタグのチクチク、特定の光、人混みのざわめきに極端なストレスを感じる。
・ADHDに類似した行動:常に周囲の刺激に気を取られて集中が途切れる、情緒が不安定になりやすい。
このように、行動面や学習面の困りごとの根底に、モロー反射の未統合による感覚の過敏さが潜んでいるケースは珍しくありません。