大手質問サイトやSNS上では、毎年8月中旬を過ぎると「防犯ポスターのアイデアが出ない」「子どもが絵の具で失敗して泣き出した」という切実な声が数千件規模で投稿されます。現場で起きているトラブルを取材すると、失敗するパターンには明らかな共通項が存在します。
第一の壁は「人物の全身を描こうとしてプロポーションが崩れること」です。中学生にとって、等身大の人体デッサンは非常に難易度が高く、目や手足を描き直しているうちに画用紙が消しゴムで黒ずみ、やる気を完全に喪失してしまいます。
第二の壁は「絵の具の水の量を間違えて画用紙が波打つ問題」です。水彩画の感覚で薄く塗り重ねた結果、色が濁り、ポスター特有の鮮やかさが失われてしまいます。大手画材メーカーの技術担当者は「ポスター制作には、不透明でムラなく平塗りできるアクリルガッシュやポスターカラーが適している。絵の具に対して水は20〜30%程度に留め、マヨネーズ状の硬さで塗るのが基本」と指摘します。
第三の壁は「標語の文字を最後に適当に書き足してしまうミス」です。イラストを完成させた後に余白へ無理やり文字をねじ込むと、文字サイズが小さくなり、ポスターとしての視認性が致命的に低下します。入賞常連校の美術科教員は「最初に太いゴシック体で文字の配置場所を確保し、文字そのものをデザインの主役として設計することが不可欠」と口を揃えます。