オールマイトの代名詞である「私が来た!」が初めて世に出たのは、『僕のヒーローアカデミア』原作漫画の第1話です。幼少期の緑谷出久(デク)がパソコンの画面越しに何度も繰り返し視聴していた、オールマイトのデビュー映像がその原点にあたります。
大災害の現場から数十人もの被災者を軽々と抱え上げ、瓦礫を踏みしめながら豪快な笑顔で放った一連のセリフは、読者の心に強烈なインパクトを残しました。
「もう大丈夫!なぜって? 私が来た!」
(『僕のヒーローアカデミア』第1巻・第1話より)
作者の堀越耕平氏が過去の対談やインタビューで語ったところによると、オールマイトの造形やこのセリフの元ネタには、アメリカン・コミックス(特に『スーパーマン』などの黄金期・シルバーエイジのヒーロー像)からの多大な影響があります。「どれほど過酷な現場であっても、一人の存在が現れるだけで空気が一変し、被害者も読者も完全に安心できる圧倒的アイコンを作りたい」という構想から、この簡潔かつ力強いフレーズが生み出されました。
アニメ版においてこの名シーンが描かれたのは第1期・第1話および第2話です。アニメーション制作を手掛けたボンズのダイナミックな作画とともに、オールマイト役を演じる実力派声優・三宅健太氏による重厚かつ朗らかな咆哮が合わさることで、名実ともにジャンプアニメ史に残る名場面として結実しました。アフレコ現場の取材レポート等でも、三宅氏が「世界中を安心させる絶対的な笑顔とパワーを声に乗せるため、全身全霊のエネルギーを注ぎ込んだ」と振り返る通り、声優陣の熱演がこのセリフの神格化を決定づけています。