SNSやネット掲示板などで「無頭児」という単語が取り沙汰される際、奇病や原因不明の奇形といった過激な語り口で紹介されるケースが散見されます。しかし、臨床医学における無頭児の症例は、その大半が一絨毛膜双胎(1つの胎盤を共有する双子)における血流循環異常に起因するものです。
医学的には「無心体(Acardiac twin)」の亜型として分類され、心臓だけでなく頭部や上肢の形成が著しく不全となった状態を指します。親の生活習慣や外的要因による突然変異ではなく、受精卵が分裂した後の胎盤血管の吻合(血管同士のつながり)によって引き起こされる偶発的な血行力学的トラブルであることが分かっています。