さらに深刻なのは、対象が自分自身ではなく、自らの子供や介護対象者に向けられる「代理ミュンヒハウゼン症候群」だ。これは単なる精神疾患の枠を超え、明白な児童虐待・高齢者虐待にあたる。
母親が幼い我が子に微量の毒物や下剤を投与し続け、「健気に病児を看病する理想の母」を演じる。小児科病棟の監視カメラが、母親が子供の点滴チューブに汚水を注入する瞬間を捉えた衝撃的な事件は記憶に新しい。
子供は自ら異変を訴えることができず、死に至るケースも少なくない。周囲が「熱心な親」と信じ込んでいるため、発見が遅れがちになる点がこの問題の恐ろしさだ。