クラゲの傘のふちをよく観察すると、小さな切れ込みが等間隔で存在することに気づく。これが複合感覚器「ロパリア」だ。種類にもよるが、概ね8個前後のロパリアがぐるりと配置されている。
このロパリアには、明暗を感じ取る眼点や、上下左右のバランスを保つ平衡石が含まれる。最近の研究では、この小さな器官群が互いに微弱な電気信号を取り合い、群れ全体の方向転換や外敵からの回避行動をリアルタイムで決定していることがわかった。いわば「頭」がいくつも並んで同盟を組んでいるような状態だ。一つの部位に依存しないシステムだからこそ、一部が傷ついても生命活動を維持できる強靭さが生まれる。