事件の発端は2019年7月、赤穂市民病院の脳神経外科に1人の男性医師(漫画『脳外科医 竹田くん』のモデル)が着任したことに始まります。着任直後から、血管内治療(カテーテル手術)や脊椎手術、透析用のシャント手術などで異常な頻度のトラブルが発生しました。
特筆すべきは、事故の内容が不可抗力の手術合併症ではなく、基礎的な手技の未熟さに起因する重大過誤であった点です。2026年1月には、70代女性に対する腰椎後方除圧術において、ドリルで神経(馬尾神経)を巻き込んで切断。女性は両下肢麻痺や排泄障害など重度の後遺障害を負い、生涯車椅子生活を余儀なくされました。
赤穂市民病院が設置した外部事故調査委員会の報告書によると、医師が関与した手術で確認された医療事故は合計8件に上ります。同科の上司である科長(指導医)や同僚医師が何度も危険性を訴え、手術の中止や執刀禁止を上層部に直訴したにもかかわらず、病院幹部は事態を深刻に受け止めず、執刀禁止命令を出すまでに半年以上の時間を浪費しました。この初動の遅れと組織の不作為こそが、被害を拡大させた最大の要因です。