アネロンのポテンシャルを100%引き出すためには、服用するタイミングが極めて重要です。添付文書および薬物動態データに基づくと、乗車・乗船の「30分前」に水またはぬるま湯で服用することが鉄則とされています。
カプセルが胃内で崩壊し、初期放出分の有効成分が血中に移行して前庭神経系の興奮を抑える準備が整うまでに約30分を要するためです。揺れが始まってからでは内耳への刺激伝達が先行してしまい、自律神経の暴走を食い止める難易度が跳ね上がります。
では、「すでに乗り物酔いを発症してしまった後」から飲んでも効果はあるのかという疑問について検証します。
結論として、アネロンは酔ってからの服用でも症状の緩和に十分な効果を発揮します。その理由は、配合されている「アミノ安息香酸エチル」が荒れた胃粘膜に直接触れることで局所麻酔作用を起こし、胃から脳への嘔気シグナルを物理的に遮断するためです。ただし、激しい嘔吐が始まっている状態ではカプセル自体を吐き出してしまったり、胃腸の蠕動運動が低下して吸収が大幅に遅れるリスクがあります。最大の効果を得るには、やはり出発前の予防服用が最も確実です。