お彼岸を迎えるにあたって押さえておきたいのが、仏壇のお手入れとお墓参りの作法です。正しい手順を理解しておくことで、形式的な義務ではなく、落ち着いた心で供養に向き合うことができます。
仏壇の飾り方とお供えの基本
彼岸入り前日までに仏壇を清め、仏具を磨いておきます。普段のお供え(ご飯・水・お茶・花・線香・ろうそく)に加え、春はぼたもち、秋はおはぎを供えます。果物や菓子をお供えする場合は、「高杯(たかつき)」と呼ばれる供物台に半紙を敷いて盛り付けるのが丁寧な作法です。
お墓参りの手順と心得
- 墓地の清掃:周囲の雑草を抜き、墓石を水洗いして柔らかい布やスポンジで汚れを落とします(タワシで強くこすると石を傷つけるため厳禁)。
- お供え:生花を花立てに飾り、水鉢に新鮮な水を満たし、故人の好物や和菓子をお供えします(直置きせず半紙を敷く)。
- 合掌礼拝:線香に火を灯し、手で仰いで火を消してから香炉に手向けます。墓石より頭を低くして深く合掌します。
- 後片付け:カラスや野生動物による荒らしを防ぐため、食べ物のお供え物は必ず持ち帰るのが現代霊園・寺院の共通ルールです。
のし紙の選び方とお供え物のタブー
他家へお彼岸のお供えを持参する、あるいは郵送する場合、のし紙(掛け紙)の水引は「白黒」または「黄白」の結び切りを選びます(関西圏では黄白が一般的)。表書きは四十九日前であれば「御霊前」、四十九日以降は「御供」や「御仏前」と記します。
避けるべきお供え物としては、殺生を連想させる「生肉・生魚」、匂いが強く仏教で禁忌とされる「五辛(ごしん:にんにく、にら、ねぎ、らっきょう、玉ねぎ)」、トゲや毒のある花(バラや彼岸花など)が挙げられます。