スイスフランショックの真相と理由|数分で大暴騰し破産者続出の全貌

スイスフランショックの真相と理由|数分で大暴騰し破産者続出の全貌

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市場関係者が最も衝撃を受けたのは、発表のわずか数日前までスイス中銀のトーマス・ジョルダン総裁をはじめとする幹部が「1ユーロ=1.20フランの防衛ラインは金融政策の絶対的な柱である」と公言し続けていた点です。なぜスイス中銀は、自らの信用を犠牲にしてまで電撃撤廃に踏み切ったのでしょうか。

最大の理由は、欧州中央銀行(ECB)による大規模な量的緩和(QE)の導入が目前に迫っていたことにあります。当時、デフレ懸念に直面していたユーロ圏は、市場に大量のユーロを供給する金融緩和を決定しようとしていました。ユーロが構造的に売られやすい環境下で「1.20フラン」の防衛ラインを維持し続ければ、スイス中銀は無限にユーロを買い支え、自国通貨スイスフランを発行・売却し続けなければならなくなります。

当時のスイス中銀の外貨準備高はすでにスイスのGDP(国内総生産)の70%超にまで膨張していました。これ以上の無制限介入を継続すれば、ECBの緩和マネーをすべてスイス中銀が一身に買い受けることになり、中央銀行のバランスシートが破裂して国家財政そのものが破滅しかねない限界点に達していたのです。ジョルダン総裁は、自国経済を守るために「市場への奇襲」という劇薬を選ばざるを得ませんでした。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。