臨床上、特に警戒を要するのが片目だけの目の奥の痛みと真相の解明です。両目同時にじんわりと重くなる眼精疲労とは異なり、局所的な片側の痛みには特定の重篤な疾患が関与している蓋然性が極めて高くなります。
「スプーンでえぐられる」と形容される群発頭痛の恐怖
20代から40代の男性を中心に発症例が多い群発頭痛と激痛の症状詳細まとめを確認すると、その激烈さは際立っています。患者の手記や臨床報告では「目玉の奥を焼けた火箸で突き刺されたよう」「スプーンで眼球をえぐり取られるほどの激痛」と語られ、痛みのあまり壁に頭を打ちつけたり、夜間にのたうち回ったりする事態も珍しくありません。群発頭痛は、内頸動脈の炎症と三叉神経の興奮が引き金となり、数週間から数カ月の「群発期」にわたって、毎日決まった時間帯(特に深夜から明け方)に1〜2時間猛烈な発作が持続します。充血や涙、鼻水が片側だけに現れる点も特徴的です。
失明の危機をはらむ緑内障発作による眼圧上昇の前兆
一方、中高年以降の女性に急増するのが、急性閉塞隅角緑内障による緑内障発作による眼圧上昇の前兆です。眼球内を満たす房水の出口(隅角)が急激に塞がることで、通常10〜21mmHg前後に保たれている眼圧が50〜70mmHg以上に跳ね上がります。
発作が起きると、電撃的な片目の奥の激痛とともに、視界が白く霞む、電灯の周りに虹のような輪が見える(虹輪視)、激しい頭痛と噴水状の嘔吐が生じます。急性緑内障発作は発症から48時間以内に適切な眼圧降下処置を行わなければ、視神経が壊死し不可逆的な失明に至る極めて危険な眼科救急疾患です。頭痛や吐き気が前面に出るため、内科や脳神経外科を受診して眼圧検査が遅れ、発見が後手に回ってしまう痛烈な医療過誤・見落としも報告されています。