数年前に長年所属した大手事務所から独立したことは、彼女のキャリアにおいて大きな分岐点となった。すべての決定権が自分にあるという状況は、自由であると同時に、すべての責任を一人で背負うことを意味する。デスクワークから交渉事まで、自らこなす日々は決して平坦ではなかったはずだ。
それでも、彼女の表情に悲壮感はない。むしろ、自分でリスクを取り、自分で道を決める面白さを噛み締めているように見える。企画の段階から深く関わり、作品の骨組みから一緒に作り上げていくプロセスは、単に「与えられた役を演じる」だけでは得られなかった深い充足感を彼女にもたらしている。