球界を代表する名投手たちの証言や手記を紐解くと、彼らが共通して語るチェンジアップの生命線が浮き彫りになります。
NPBで数々の奪三振タイトルを獲得した元巨人の杉内俊哉氏は、現役時代の特番インタビューで「チェンジアップを投げる際、絶対に球速を落とそうとして腕を緩めてはならない。直球以上に腕を強く振る意識を持つことで、初めて打者の手元でボールが消える感覚になる」と述懐しています。
また、MLBシカゴ・カブスで目覚ましい奪三振率を記録する今永昇太投手も、ストレートの回転軸と極めて近い角度から放たれるチェンジアップを武器に強打者を翻弄しています。トラックマンの公開測定データによれば、一流投手のチェンジアップは直球との球速差が約13〜18km/h、さらに横方向への変化量が約35〜45cmに達します。打者の視界からは「手元で急にブレーキがかかり、斜め下に吸い込まれる」ように錯覚されるのです。