東宝株式会社が主導し、ジョン・ケアードの演出によって実現した舞台『千と千尋の神隠し Spirited Away』は、ロンドン公演をはじめとする世界各地で絶賛を浴び、日本の舞台芸術の最高峰として評価を確立した。その舞台上で観客の度肝を抜いたのが、パペットと生身の俳優が融合した湯婆婆の表現だ。
映画のオリジナルキャストである夏木マリに加え、朴璐美ら実力派キャストが競演した湯婆婆役は、舞台という限られた空間の中でアニメーション以上の迫力をもって観客に迫る。巨大な頭部を操るアンサンブルの緻密な動きと、役者の研ぎ澄まされた身体性が融合し、魔女の飛行シーンや怒りの爆発が見事に具現化された。劇場の熱気の中で再現される湯婆婆の存在感は、国境や言語の壁を軽々と越え、世界中の演劇ファンを熱狂させ続けている。