「向きを間違えてセットしても、ただ動かないだけだろう」と軽視するのは致命的な誤解です。ボタン電池を逆に入れると危険な理由は、電気回路の破損だけでなく、電池内部でのガス発生や液漏れ、さらには発熱・発火を引き起こす点にあります。
特に複数の電池を直列で直列配置する機器(ペンライトや小型トイなど)において、1個だけ極性を逆にしてセットした場合、他の正常な電池から「逆充電」される状態が発生します。逆充電された電池内部では急速に化学反応が進み、水素ガスが充満して内圧が急上昇します。安全弁が作動して強アルカリ性の電解液が外部に激しく噴出したり、最悪の場合は破裂・発火に至るケースが消費者庁の事故事例でも報告されています。
また、装着時だけでなく保管時にも同様の現象が起こります。引き出しの中に裸のまま放り込まれたボタン電池同士が重なり合い、プラス極とマイナス極が接触してボタン電池のショートが発生、周囲の可燃物に引火した火災事例は東京消防庁管内だけでも毎年複数件確認されています。「小さな電池だから電圧が低くて安全」という思い込みこそが、最も警戒すべきリスク要因です。