二人の関係性を語る上で決して外せないのが、1997年夏の神奈川県大会です。上地氏にとって高校最後の夏、チームは順調に勝ち進んだものの、上地氏は大会直前に右肘の腱を断裂するという重傷を負ってしまいます。
正捕手としてグラウンドに立ち続けることが困難となった上地氏は、ベンチやスタンドから後輩たちを鼓舞し続けました。しかし、準決勝の横浜商科大高校戦でチームは惜敗。松坂氏が投げ抜いたものの、あと一歩のところで甲子園への切符を逃す結果となりました。
試合終了後、敬愛する先輩・上地氏を甲子園へ連れて行けなかった悔しさから、松坂氏は人目をはばからず号泣。その時、上地氏は涙を流す後輩の肩を抱き、「お前が次の年、絶対に全国の頂点に立て」と夢を託しました。この無念の敗戦と上地氏の激励こそが、翌1998年に松坂氏が成し遂げた「甲子園春夏連覇・公式戦44連勝無敗」という伝説の原点となったのです。