ウマ娘のサービス開始は2021年2月24日。しかし、ゲーム起動直後からチュートリアルやオープニング映像、さらにはSSRサポートカード[待望の計略]としてトップクラスの性能を誇りながら、育成キャラクターとしての彼女は長らくプレイアブル化されませんでした。これがファンの間で「タマモ難民」という流行語を生み出し、新ガチャ告知があるたびにSNS上で彼女の名がトレンド入りする異常事態を形成したのです。
彼女の実装がここまで切望された構造的背景には、大きく分けて3つの要素が複雑に絡み合っていました。
第1に、週刊ヤングジャンプで連載され大ヒットを記録していた漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』の影響です。主人公オグリキャップの前に立ちはだかる「最大の好敵手」として描かれたタマモクロスの鬼気迫る強さと、関西弁で仲間想いな普段のギャップに心を奪われた読者が急増。作中での「永世三強」激突シーンとシンクロするように、アプリ内で自分自身の手で育てたいという欲求が爆発的に高まりました。
第2に、タマモクロス実装の経緯における「飢餓感のコントロール」です。サイゲームスはメインストーリー第1部第5章(サイレンススズカ編)や各種イベントのコメディリリーフとしてタマモクロスを頻繁に登場させつつも、ガチャ更新のたびに他のウマ娘を実装。ファンの間では「年末の目玉にする気ではないか」「アニバーサリーまで待たされるのか」という疑心暗鬼と期待が交錯し、熱量が極限まで煮詰まっていきました。
第3に、キャラクター自身の魅力と「判官贔屓(ほうがんびいき)」を刺激するバックボーンです。小柄な体躯でありながら闘志を剥き出しにして走る姿、関西の庶民的な家庭で育ったハングリー精神あふれる設定は、多くのトレーナーの保護欲と敬意を同時に惹きつけました。