手袋制作において最も質問が多く寄せられるのが「親指の付け根に不自然な隙間や穴が開く」という問題です。このトラブルを解消するには、手の解剖学的な構造に合わせた「別糸の編み入れ法」または「マチの増し目」を正しく適用する必要があります。
伝統的な棒針編みの基本手法(手芸ポータル「ぬくもり」等の実践レシピでも推奨される手順)では、手の甲・手のひらを輪編みで編み進める際、親指の位置に本体とは異なる「別糸」を数目分編み入れます。本体が編み上がった後にこの別糸を慎重にほどき、上下に現れた編み目を針に拾って親指を編み出していくのが最も失敗の少ないルートです。
一方、かぎ針編みでミトンを編む場合は、手首のリブ部分に「表引き上げ編み」と「裏引き上げ編み」を交互に配置し、2〜3段かけて伸縮性を持たせるのが美しく仕上げるポイントです。手のひらへ進むにつれて細編みの中へ自然に「増し目(1目に2目編み入れる)」を行い、親指の付け根部分にゆとりを作ります。親指と人差し指の境目を編む際は、隣接する目から1〜2目巻き込んで「減らし目(2目一度)」を行うことで、隙間のない密閉された編み地に仕上がります。