本作最大の謎である「愛孫・柚葉を誘拐した犯人」の正体は、宇津美の遺族と繋がる元関係者たち、そして汚職事件の隠蔽によって未来を理不尽に奪われた草の根の被害者たちでした。しかし、単なる身代金目的の犯罪ではなく、警察やメディアを巻き込んだ巨大な劇場型犯罪へと発展させた背景には、政界の重鎮たちが長年隠蔽してきた「2号道路建設を巡る巨額汚職」が存在します。
堤真一演じる民政党幹部・宇田清四郎は、内閣府副大臣という権力を守るため、不正な土地売買と耐震偽装に関わる贈収賄の証拠を握る秘書・宇津美にすべての罪を着せ、自殺へと追い込みました。犯人側の動機は、金銭の強奪ではなく、「命の重さを権力で踏み躙った政治家に、自らの口で真実を語らせること」だったのです。
主人公・宇田晄司(中島健人)は、父の厚い壁と警察の捜査網の狭間で孤軍奮闘しながら、犯人からの指示を追う過程で、尊敬していたはずの父・清四郎が手を染めた底なしの腐敗を直視することになります。犯人は晄司の誠実さと家族を救いたい執念すらも計算に入れ、会見の生中継を通じて日本全国に「罪の自白」を轟かせる舞台を整えていました。