2024年9月29日、早朝から別れを惜しむ数千人のファンが詰めかける中、リーリーとシンシンが中国へと旅立ちました。ネット上では「外交関係の悪化による引き揚げではないか」「政治的な圧力があったのではないか」といった憶測が飛び交いましたが、リーリー・シンシンの返還理由の真相は純粋な獣医医療と動物福祉(アニマルウェルフェア)にあります。
東京都建設局が発表した当時の公式会見記録および医療カルテによると、2頭は19歳というパンダにおける高齢期に差し掛かっており、慢性的な高血圧の症状を抱えていました。上野動物園の獣医チームと中国側の専門家がオンラインで連日協議を重ね、降圧剤の投与など最善の処置を継続していたものの、加齢に伴う臓器への負担や将来的な健康悪化リスクを考慮した結果、「専門の医療設備と症例知見が極めて豊富な本国(中国ジャイアントパンダ保護研究センター)の医療チームに直接委ねることが最善である」という結論に至ったのです。
一方、2023年2月に一足早く帰国した長女シャンシャンの中国での現在については、四川省にある雅安碧峰峡基地で元気に暮らす様子が定期的に報じられています。返還当初は見知らぬ環境や現地の言葉に戸惑いを見せていたものの、現在は現地の竹をしっかりと食べ、広大な自然に囲まれた屋外展示場で穏やかな日々を送っています。日本から現地ツアーを組んで会いに訪れる熱烈なファンも多く、日中友好の架け橋としての存在感は海を渡った後も色褪せていません。