物語の原点は、長野県池田町にある。北アルプスを望む美しい斜面でありながら、当時は手付かずの荒地だったこの場所で、夢農場創設者である佐藤健一が最初に土を耕し始めたとき、周囲の反応は決して温かいものばかりではなかった。「誰も来ない傾斜地で花を植えてどうするのか」――冷ややかな視線が注がれる中、佐藤健一はたった一人で雑草を刈り取り、土壌の改良に明け暮れた。
「最初は手探り以外の何物でもありませんでした。ですが、この土地が持つ風と光なら、必ず世界に伝わる景色が作れると信じていたんです」。佐藤健一は当時の苦難を振り返り、そう語る。彼の不屈の情熱と地道な試行錯誤が、やがて地域全体を巻き込む大きな波紋となり、現在の偉業へとつながっていった。