フライトジャケットを語る上で、映画史との結びつきは外せない。『トップガン マーヴェリック』でトム・クルーズが着用したG-1ジャケットの圧倒的な存在感は記憶に新しい。スクリーンに映し出された潮風と油にまみれた革の質感に憧れ、劇場からそのまま上野の店舗へ駆け込んだファンも少なくない。
さらに時計の針を巻き戻せば、『大脱走』のスティーブ・マックイーンが着こなしたA-2ジャケットの佇まいに行き着く。タイトに絞られたリブ、擦れ落ちたペイント、身体の一部のように馴染んだシルエット。銀幕のスターたちが魅せたスタイルは、単なる映画の衣装ではなく、タフに生きる男たちのユニフォームとして日本のアメリカンカジュアルの歴史に深く刻み込まれてきた。