インターネット上の掲示板やSNS、知恵袋の投稿を丹念に検証していくと、長年まことしやかに囁かれている「初心者向けのおすすめ曲」の中に、初学者の心を容赦なくへし折る危険な罠が潜んでいることが浮き彫りになります。
ネット上で最も頻繁に推薦されるBUMP OF CHICKENの『天体観測』は、その最たる例です。「エレキギター初心者練習曲ネットの反応」を調査すると、「天体観測を勧められてやってみたが、イントロで1ミリも指が動かず半年放置した」「アルペジオが難しすぎて挫折した」という阿鼻叫喚の声が散見されます。
『天体観測』のイントロは、ディレイ(やまびこ効果)の空間系エフェクター設定を前提とした精密な単音ピッキング、さらには裏拍のカッティングや変則的なバレーコードが連続します。あれは中級者がリズム隊とタイトに合わせるための難曲であり、初心者が1曲目に選ぶのは自殺行為に等しいと言わざるを得ません。
また、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』のメガヒット以降、結束バンドの楽曲(『星座になれたら』『転がる岩、君に朝が降る』など)からギターを始めたいという若年層が急増しました。しかし、劇中のサウンドを忠実に再現しようとすると、BPM190を超える高速テンポの中でのファンキーな16分カッティングや、ネオソウル由来の複雑なボイシングが要求されます。どうしても劇中曲を弾きたい場合は、原曲のスコア通りに弾くのではなく、主旋律やコード進行を簡略化した「ビギナー用イージーアレンジ譜面」から入るのが鉄則です。
さらに、練習の拠り所となるTAB譜無料おすすめサイト評判についても冷徹な見極めが必要です。「Songsterr」や「Ultimate Guitar」といった海外の大手サービスは、ブラウザ上でテンポを落としてMIDI再生できる機能が極めて優秀ですが、ユーザー投稿型であるため、運指のポジションが非効率的であったり、キーが原曲と異なっているケースが少なくありません。国内の「U-フレット」などはJ-POPのコード確認には最適ですが、ソロやリフの細かなピッキングニュアンスまでは拾えません。無料サイトのTAB譜を鵜呑みにせず、少しでも違和感を覚えたらYouTubeの「弾いてみた」解説動画や、公式監修の紙版バンドスコアと照合する複眼的な視点を持つことが肝要です。