排尿環境や解剖学的構造の違いにより、尿の泡立ちにおける男性と女性の違いも存在します。
男性の場合、立位で排尿することが多いため、便器の水面までの落差(約60〜80cm)と尿流の勢いによって、物理的な空気の巻き込みが起きやすくなります。また、男性特有の要因として、射精後に前立腺液や微量の精液が尿道内に残存している場合、タンパク質成分が混入して一時的に泡立ちが生じることもあります。そのため、男性が立って用を足した際に生じる粗い泡は、物理的要因である割合が高めです。
対照的に、女性は座位で排尿するため水面との落差が小さく、物理的な衝撃による泡立ちは男性に比べて生じにくい傾向にあります。したがって、女性で便器内に細かい泡が目立つ場合は、水分不足や便器洗剤の影響を除けば、蛋白尿や膀胱炎・尿路感染症(細菌や白血球の混入)、あるいは膣分泌物の混入など、何らかの生化学的変化が生じている可能性を男性よりも注意深く考慮する必要があります。
加えて、精神的・身体的な過負荷によるおしっこの泡立ちとストレスの相関も見逃せません。過度のストレスや極度の緊張状態に晒されると、交感神経が過剰に興奮して腎動脈が収縮し、一過性に腎臓の血流バランスが崩れて機能性蛋白尿(ストレス性蛋白尿)が出現することがあります。十分な睡眠や休養によって改善する場合は問題ありませんが、ストレス環境が解消しても泡立ちが続く場合は器質的疾患の精査が欠かせません。