ギリシャ彫刻の時代から数学的に美しいとされる比率。それが黄金比だ。人間の脳は、視覚情報を処理する際、対称性が高くバランスの取れた配置を「安全で健康的」と無意識に判断する傾向がある。認知心理学の研究でも、整った顔立ちを見ることで脳の報酬系が刺激されることが分かっている。
だが、それだけが理由ではない。現代のメディア環境において、高精細な4K・8K映像が主流となったことも影響している。画面の隅々まで鮮明に映し出される現代において、骨格の歪みやパーツのアンバランスさは、かつてよりも顕著に視聴者の目に留まるようになった。結果として、視覚的な「心地よさ」を与える黄金比の持ち主に、自然と視線が集まるのだ。