試験を主催する一般財団法人電気技術者試験センターの公式発表データを丹念に読み解くと、世間で囁かれている「受かりやすい資格」という言説の危うさが浮き彫りになります。筆記試験(学科試験)の合格率は例年55%〜65%程度、その後の技能試験(実技試験)の合格率は65%〜73%前後で推移しています。これら2つの数値を単体で見れば、国家資格の中では比較的門戸が広いように映るのも無理はありません。
しかし、ここに統計の罠が存在します。技能試験を受験している層は「筆記試験を突破した人」あるいは「前年度の筆記免除者」だけに絞り込まれています。筆記試験を受けた受験者がそのままストレートで技能試験まで一発合格できる総合合格率を算出すると、実質的な合格率は約40%〜45%まで落ち込みます。受検者の半数以上がその年のうちに免状を手にできず、涙を呑んでいるのが客観的な事実です。
現在ではCBT方式(コンピュータを使った試験方式)の導入も完全に定着し、筆記試験の受験日程や場所の選択肢は大幅に柔軟化されました。しかし、どれほど受験環境が近代化されても、技能試験だけは指定された試験会場で実際にペンチとストリッパーを握り、自分の手で配線を組み上げなければなりません。この物理的なハードルこそが、第二種電気工事士の難易度を特徴づける本質です。