メディアの変容は、音楽産業の構造も根底から書き換えた。かつて昭和の時代、音楽のヒットはゴールデンタイムの歌謡曲番組から生まれていた。しかし現代のJ-POPシーンにおいて、流行の爆発点となるのはSNSやストリーミングプラットフォームだ。短尺動画でのバイラルヒットやYouTubeでのMV再生数が、ヒットチャートの絶対的な基準となっている。
日本レコード協会が公表する最新データでも、パッケージCDの売り上げが低迷を続ける一方で、有料音楽配信の市場規模は年々拡大を続けている。テレビの歌番組に出演することの意味合いは大きく変わり、アーティストたちは直接デジタルプラットフォームを通じてファンとつながる道を選び始めた。映像と音響が融合した新たなコンテンツ体験が、従来の音楽ビジネスを急速に過去のものへと追いやっている。