瞳孔は、カメラに例えると「絞り」の役割を果たしており、目に入ってくる光の量を精密にコントロールしています。健康な成人の瞳孔は、通常の明るさで直径2.5mm〜4mm程度に保たれていますが、この瞳孔が概ね2mm以下に縮小した状態を縮瞳と呼びます。
瞳孔の大きさを左右しているのは、自律神経の働きです。網膜が強い光を感知すると、動眼神経(第III脳神経)を介して副交感神経が興奮し、瞳孔括約筋がキュッと収縮して光を遮断します。この一連の動きが正常な「対光反射(たいこうはんしゃ)」です。
一方で、縮瞳と正反対の現象が「散瞳(さんどう)」です。散瞳は暗い場所や興奮時、交感神経が優位になって瞳孔散大筋が働き、瞳孔が5mm以上に広がる状態を指します。両者の違いを理解することは、目の異常や神経障害の早期発見において極めて重要な基礎知識となります。