金銭面以外の心理的・実務的な障壁も、再就職手当をもらわない選択の理由として頻繁に挙げられます。特に注意すべきが、再就職手当の受給条件と落とし穴、そして手続き過程における勤務先との関係性です。
手当の支給を受けるためには、単に就職が決まるだけでなく、以下の厳格な条件をクリアしなければなりません。
- 受給資格決定後、7日間の待期期間を満了した後の就職であること
- 離職理由による給付制限がある場合、待期期間満了後1か月間はハローワークまたは認可事業者の紹介による就職であること
- 離職前の事業主(資本・人事面での密接な関連企業を含む)への再雇用ではないこと
- 原則として1年を超えて勤務することが確実と認められる雇用形態であること
- 過去3年以内に再就職手当や常用就職支度手当の受給履歴がないこと
こうした要件の確認のため、ハローワークへの申請手続きと期限(就職日の翌日から原則1か月以内)において、転職先企業に「採用証明書」および「再就職手当支給申請書」の事業主証明欄を記入・押印してもらうステップが必須となります。
ここで浮上するのが、転職先企業にバレる理由と真相です。書類提出を依頼する際、人事担当者には「この社員が前職を辞めて失業保険の手続きをしており、早期就職手当を申請している」という事実が伝わります。法的には正当な権利であり恥じることではありませんが、入社早々に「公的手当の書類作成という総務の手間を煩わせたくない」「失業手当を受給していた背景を職場に知られたくない」と心理的プレッシャーを感じ、自発的に申請を辞退する人が少なくありません。