日本の鞄づくりの歴史を振り返ると、質実剛健な職人魂が若者文化と融合してきた足跡が見えてくる。1935年に創業された吉田カバンの精神は、創業者である吉田吉蔵が掲げた「一針入魂」の理念に根ざしている。丁寧な縫製と耐久性の高さは、時代を超えて信頼を集めてきた。
同社の代表作であるポーター タンカーは、アメリカ空軍のフライトジャケットをモチーフにしたナイロンツイル素材の柔らかな質感と高い機能性で脚光を浴びた。90年代には裏原宿カルチャーを牽引した藤原ヒロシ氏をはじめとするクリエイターたちによってストリートシーンのアイコンへと昇華。その洗練されたデザイン感覚は、現在の学生たちが求める「ミリタリーとタウンユースの融合」というスタイルの潮流にも深く息づいている。