歌手としての成功にとどまらず、女優としての稀有な才能を開花させたことも彼女の大きな特徴だ。特に市川崑監督が手掛けた金田一耕助シリーズの名作映画『病院坂の首縊りの家』で見せた二役の怪演は、映画史に刻まれる圧巻のパフォーマンスとして今なお語り継がれている。可憐なアイドル像を鮮やかに脱ぎ捨て、複雑な人間の愛憎を見事に演じ切った彼女の演技力は、当時の映画批評家たちを唸らせた。
近年の世界的な昭和歌謡ブームやシティポップ再評価の波により、彼女のシングル楽曲だけでなく、アルバムに収録された隠れた名曲群や映画作品への関心が再び高まっている。デジタルリマスター版の音源や映像作品を通じて彼女のクリエイティビティに触れたZ世代のリスナーからは、「歌唱力の高さと表現の幅広さに驚かされた」との声が相次ぐ。