本作を語る上で欠かせないのが、宇多田ヒカルが書き下ろした主題歌「何色でもない花」の存在だ。静謐でありながら感情を揺さぶるメロディと歌詞は、雨と太陽が紡ぐ物語の切なさを何倍にも増幅させた。ドラマのクライマックスでこの楽曲が流れるたび、視聴者の涙腺は崩壊した。
フジテレビの月9枠といえば、日本のテレビドラマ史において数々の伝説的ラブストーリーを生み出してきた象徴的な時間帯である。その伝統に新たな息吹を吹き込んだのが、宇山佳佑のファンタジー・ラブストーリーだ。五感喪失という非日常的な設定を圧倒的なリアリティで描き切り、切なさと美しさが同居する唯一無二の作品としての価値を証明してみせた。