レーザー照射後に「施術前よりもシミが黒ずんで目立つ」と感じる現象は、臨床現場でも極めて相談が多い事例です。しかし、その多くは医療事故としての失敗ではなく、生体防御反応である炎症後色素沈着(PIH)、通称「戻りジミ」に該当します。レーザーの熱刺激によって一時的にメラノサイトが活性化し、照射から3〜4週間前後でピークを迎えますが、適切なケアを続ければ3〜6カ月かけて自然に排出されていきます。
極めて警戒すべき本物の失敗症例は、色素細胞そのものが破壊されて皮膚の色が部分的に抜け落ちる色素脱失(白斑)です。特に低出力レーザーを顔全体に照射するレーザートーニングを過度な頻度・高出力で継続した場合に生じやすく、一度メラノサイトが完全に死滅すると元の肌色に戻すことは極めて困難になります。施術間隔を守らない乱用や、医師の出力設定ミスが引き起こす後遺症リスクとして知られています。