事件が起きたのは、豊かな自然に囲まれた山梨県南都留郡道志村のキャンプ場だった。9月の清々しい秋晴れのもと、子育てサークルで訪れていた複数の家族が和やかな時間を過ごしていた。しかし、ほんのわずかな隙に、小倉美咲さんの足取りはぷつりと途絶えてしまう。おやつを食べた後、先に沢へ向かった他の子供たちを追いかけて走っていった姿が、目撃された最後の光景となった。
周囲は険しい山林と急流が広がるエリアだ。道志村キャンプ場女児行方不明事件として記憶されるこの事案では、発生直後から家族や周囲の参加者、キャンプ場のスタッフが付近を捜索したものの、何一つとして手がかりを得ることができなかった。見通しの悪い山道、うっそうと茂る木々、そして刻一刻と迫る日没。わずか数分の出来事が、その後長年にわたる深い謎へと変わる始まりだった。