最近の境内では、一風変わった光景も目にするようになった。ザルの中に硬貨だけでなく、クレジットカードや、なんとスマートフォンをそのまま入れて水で濡らそうとする参拝客がいるのだ。「さすがに防水仕様のスマホでも故障の原因になるので控えてほしい」と神社側は苦笑するが、彼らの気持ちも分からなくはない。電子マネーの残高が増えることを祈って、デバイスそのものを清めたいという現代的な解釈なのだろう。
しかし、やはり基本は「現金」だ。金属製の硬貨や紙の紙幣が水に濡れ、それを丁寧に拭き取るプロセスにこそ、富を引き寄せる精神的なスイッチがあると信じられている。デジタルな富の時代だからこそ、アナログな儀式が持つ説得力が増しているのだ。